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ユーリは話し終わると、恥ずかしそうに頬をかいた。
「これで終わりです。
戦争の部分は省きましたが、重要な情報は入ってませんので」
「だから、私が知ってる部分がなかったんだ」
ルナは納得したというように数回頷いた。
「この話、おかしいよね?」
そんなルナの言葉など聞こえてないかのようにレイが呟く。
一人言のようなそれにカイが同意した。
「おれも思った。神子はどこに行ったんだ?
話も唐突過ぎるし、
それに、別世界についても」
「ええ、戦いの場面を抜くとどうしても違和感が拭えないんです。
だからこそ、真実なのではないかと」
「成る程、隠した部分があるってことね」
ワクワクしている様子の大貴族の四人に対し、カイとレイ、それとウルは真剣だった。
[レイ、神子はシキのことだと思うぞ?
父さんがシキに初めて会った時“ミコ”って言ってたから]
ウルに答える訳にはいかないレイはわかっていることを示す為にひとつ頷いた。
カイはと言えば、理事長室で会った人物のことを思い出していた。
自分がどこから来たのか知っていたあの人ならば、別世界についても何か知ってるのではないかと。
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