死神と天使

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連れてきた場所は病院の屋上。 ここは立ち入り禁止なので、人が入ってくることは絶対と言って無いだろう。それに、来たとしても寿命が少ない者以外に見えることは無い。でも、病院だから念のため誰も来ない屋上に来た。一番の理由は裕翔に見つからない場所ということだけど 「この屋上…」 天使は辺りを見渡しながら考える素振りを見せる。この屋上に何か思い当たることでもあるのだろうか。 「分からないなら、いいよ。で、何か用かな?」 不敵な笑みを浮かべたと思えば、本題に入る天使。 「天使が来るには早くないか?」 天使は寿命が残りわずかになるとやってくる。だいたい早くても2週間前ほどだが、まだ裕翔の寿命は2週間以上あるはずだ。 「あれ?寿命見てないの?あの子の寿命縮んだの。進行がはやまったんだろうね」 初めて会った時から、裕翔の寿命は見ていない。奇跡を信じたいという気持ちが大きくあいつなら負けないと思っているからだ。なのに… 「ふふ、その様子だと知らなかったみたいだね。どうする?早く楽にさせる為に魂取っちゃう?」 まるで、ゲームでもしてるように軽く言う。これはゲームなどでは無く命は重たいものなのに、ふざけてる。 「ざけんな、んなことしねーよ。」 あいつは、裕翔はまだ生きてんだ。懸命に生きてる奴は最期まで頑張って欲しいんだ。俺は、魂を捕るのが役目だから矛盾してるけど、それでも生きてて欲しい。 「お前が、天使だろうが関係ない。裕翔に近付くな」 これが一番に言いたいこと。
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