死神と天使

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死神の血…俺の血を飲ませば裕翔がまだ生きられる、禁忌だとしても裕翔には生きていて欲しい でも、禁忌だといえそんな上手い話があるのか? 「ふふ、疑ってるみたいだけど本当だよ?死神は自殺した者がなる。それはつまり、寿命が尽きる前に死んだってこと。なら、その残りの寿命はどこへ行ったか…それは死神になった自分自身の血なんだよ」 そう聞かされると少しは納得できる。もし、俺の血で裕翔の生きる時間が長くなれば俺が消えても俺は満足だ。 「迷ってるなら裕翔って人に聞けばいいよ。どうせ、血が飲みたいって言うだろうね。それに僕も早く仕事を終わらせたいし」 と天使は飽きたのか屋上にある柵に寄りかかり、自分の羽根をいじりながら言う。 確かにそれがいいだろう。 「…分かった。くれぐれも裕翔に変なこと言うなよ」 念のためにもう一度言う。 「はいはい、もう分かってるよ。早く行くよ」 と呆れ顔で言った後、そそくさと屋上を出ていった。 もしかしたら、俺の血が裕翔を救える…。自分の腕を見てそんなことを考えると、俺も急いで天使のあとを追った。裕翔に早く伝えたいという気持ちが先走る。
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