病人と死神

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「リョウスケがここに来たってことは僕の寿命はあと少しってことかな?」 悲しそうにでもどこか穏やかに言う裕翔は儚げで美しいとすら思わせるほどであった 「………」 この質問には答えられるわけない。寿命を教えるのは禁止されている。それに、教えてどうなる。生を諦めるか魂を取らないで欲しいと懇願する者が出てくるくらい予想はつく。それに、そいつらをどうすることも出来ない。 なぜなら、決められたことを守らなければ俺らは闇に消えていき、さ迷うからだ。 まあ、答えなくっても死神が現れた時点で次期に寿命が無くなるのは想像つくだろう。 「リョウスケは優しいね。答えなくってもいいよ。」 と言いながら、手をすっと伸ばし俺の手を握る。俺が優しい?優しくなどない。人の命を奪うのだから… 「でも、お願いがある。最期まで頑張りたいんだ。まだ、生きたいから。だから…」 裕翔の目を見てると強い意思を感じる。ああ、儚いなんて嘘。だってこんなにも力強く前を向いてる。 「そのつもりだ。寿命が来るまでお前の魂は取らない。」 すると裕翔は、微笑みながら言うんだ。 「やっぱリョウスケは優しいね。ねえ、僕と友達になろうよ。」 死神と友達だなんて、本当に変な奴だ。
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