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「裕翔は何をしたら死神になるか知ってるか?」
会って1日も経たない奴にこんな話をしようとするなんて、俺は馬鹿だな。
「んーん、知らない。リョウスケは友達だから知りたいけど無理には話さなくっていい。」
きっと裕翔だからだ。裕翔だから話そうと思うんだ。
「別に、寿命と一緒に裕翔の過去も見たんだ。おあいこだろ。それに減るもんでも無いしな。自殺した者が死神となるんだ。」
そう、裕翔とは反対で生きることを諦めて死んでいった者のことだ。
「どんな理由であろうとも、命を軽く扱い死んだ者は死神となり魂を取る。そして、命の重みを感じさせようとしているんだろう。」
そうどんな理由であろうともな。
「んー、やっぱリョウスケは優しいよ?」
今の話を聞いてどこが優しいのだろうか。人の魂を奪うんだ。例え、寿命がきた者だとしても奪うということにはかわりはない。
「俺のどこが優しいんだよ」
「だって、泣きそうな顔して話してる。僕と握ってる手を震わしながら話してる。だから、優しいんだよ。もう、リョウスケは誰よりも命の重さを知ってるんだね。」
と俺の手をより一層強く握る。そんなこと無い。でも、心が軽くなった。そんな気がした。まあ、俺に心があるかは分からないけど。
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