病人と死神

6/6
前へ
/20ページ
次へ
「こんな優しいリョウスケと友達になれたなんて嬉しい。神様に感謝しないとね。」 俺を優しいと言う裕翔の方が優しいと俺は思うが、裕翔が願うなら友達になろう。仕方ない。だって、裕翔なのだから。 「…俺もだよ。裕翔」 と言うと満面の笑みを浮かべ、ばんざーいとか言いながら手を上へ挙げる。 残りわずかな時間だけど最期まで側に居てやろう。それが、友達ってやつだろう。 「リョウスケ、ずっと友達だからね。」 と、言う裕翔は何度も言うけど変な奴だ。 死神の俺を怖がりもせず優しいと言い、しかも友達にまでなろうとまで言うのだ。 今まで見たこともない。 でも、そんな裕翔だからこそ、 寿命よりも長く生きて欲しいと思い、奇跡を信じたくなるのだろう。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加