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1階に着いてみると、母さんがキッチンで何か焼いている。少し香ばしい香りがこちらにまで漂ってきている。母さんはその作業中、俺の方を向いて話しかけてきた。
「竜、ちょっと新聞取って来てくれない?」
「めんどくさ!母さんが行ってくれば?」
「今、あんたの朝ご飯作ってるんだからさっさと取りに行きなさい」
実際、面倒だと言ってはいるが、その前に身体は動いていた。
「わかったよ」
新聞なんて俺は少しニュースなどを読む程度だ。ほとんどはテレビ欄を見るためのツールになっている。
この時は何も感じていなかった。いつも通りの当たり前を迎えにいくと思っていたが、そうではなかった。
だが、これから運命が動きだす。
決して望まない運命のレールへと…
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