ゲーム

3/11
37人が本棚に入れています
本棚に追加
/178ページ
1階に着いてみると、母さんがキッチンで何か焼いている。少し香ばしい香りがこちらにまで漂ってきている。母さんはその作業中、俺の方を向いて話しかけてきた。 「竜、ちょっと新聞取って来てくれない?」 「めんどくさ!母さんが行ってくれば?」 「今、あんたの朝ご飯作ってるんだからさっさと取りに行きなさい」 実際、面倒だと言ってはいるが、その前に身体は動いていた。 「わかったよ」 新聞なんて俺は少しニュースなどを読む程度だ。ほとんどはテレビ欄を見るためのツールになっている。 この時は何も感じていなかった。いつも通りの当たり前を迎えにいくと思っていたが、そうではなかった。 だが、これから運命が動きだす。 決して望まない運命のレールへと…
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!