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「りーおっ!おっはよー」
校門前。
後方からあたしを呼ぶ元気な声に振り返ると、真亜莉がブンブンと手を振りながらこちらに走ってくるのが見えた。
「おはよー」
足を止めて、真亜莉が隣に並ぶのを待つ。
「あー、ドキドキするね」
一緒に歩き始めると、真亜莉が自分の胸に手を当てて話し出した。
「だね」
大きく頷くあたしの心臓も、ドクドク鼓動を打っている。
ついにきた、この日。
4月とはいっても、まだ桜も咲いていない肌寒い朝方。
乾いた風が一陣、あたしと真亜莉の間を吹き抜けた。
「あたし何組だろ。またりおと同じクラスだといいなー」
緊張を隠せない面もちで、真亜莉が呟いた。
――そう。
ついにきた、この日。
クラス替えの季節。
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