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新学期初日はオリエンテーションのみで終了。
明日は入学式。
その後には、あたしと真亜莉には素敵な思い出でもある新入生歓迎会「ウェルカム祭」が待っている。
落ち着いて通常授業に入るのは来週からになるということだった。
「――で、ウェルカム祭なんですが、運営、実行は3年生です。しかし毎年、2年生からも数名サポートスタッフという名前でお手伝いをしてもらっています。実際、来年は君たちが主体となって開催する行事ですからね。例年、2年生でサポートスタッフになった人たちが、来年のウェルカム祭では実行委員となって活動しています。はい、誰かやりたい人」
挙手を促すかのように、グッチは自分の右腕をひょいと挙げた。
ウェルカム祭の実行委員。
その言葉に、石田先生がいないことで落ち込んでいたあたしの気持ちが、少し浮かび上がった。
後ろの席の真亜莉にチラリと視線を配ると、真亜莉は待ってましたとばかりに大きく頷いた。
「はいっ」
「やりたいでーす」
あたしと真亜莉、同時に手を挙げた。
「ああ、結城と渡瀬。君たち、去年のウェルカム祭ではナイスセッションでしたね」
グッと親指を立てて、グッチがにっこりと笑う。
「ではお願いします。他にいませんか。定員は決まってないんですけど、まあ毎年、各クラス4、5名です」
グッチの説明に、教室がざわつき始める。
どうする?
やろっか。
みんな、近くの子たちと相談している様子。
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