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目を開けるとただ白くてふわふわしたような世界だった。
左を見ても右を見ても真っ白な世界。
まるで俺一人が存在するためだけにあるような感じだ。
風が頬を撫でた時に
ア・タ・・ノ・ワ・・・コ・・・
誰かの声が聞こえた。
声が聞こえた方に走る。
ただ一人が嫌で。誰かの温もりを感じたくて。ひたすらに走ると次第に声は大きくなっていった。
ア・タ・ハノ・ワレタコ
そう聴こえたとき、目の前には一人の女と思わしき人がいた
息を整えながらその女(?)に「ここは何処で、何で俺はここにいるんですか?」と尋ねた。
その人はクスッと笑い
「アナタハノロワレタコ」
と答えた。
……………………
停止した思考が音を発てて急に回転し始めた
(アナタって俺か?にしても俺は初対面の人にいきなり呪われた子なんて言われる筋合い無いしな……………………成る程、電波か)
等と考えてるうちに
女は顔をあげた
女の顔には血がこびりついてあり、口元は裂けているのではと思うくらいに広げられており気がつけば――――
――――女の手が俺の胸を貫いていた。
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