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次に目を覚ました時視界に入ったのは
知るはずもない天井だった
辺りを見回すと
誰もいない
(………また一人だ)
そう思い窓の外を見た時に
ガチャ
と扉が開く音がした
俺はこの状況を理解しておらず直ぐにベットに立ち膝のようにして身構えようとした。
そしたら視界がぐらついて廻って気持ち悪ぃんだこれが
あの時は必死に耐えたけどかなりキツかったんだよな
んで目の前には記憶に真新しい女の子がいた。
「目ェ覚めたんだな」
微笑んで此方に近づいて来る女の子にその時の俺は恐怖という感情しかなかった
本当は大声で叫びたいが
口を開いても声が出なかった
「…お前は…誰だ…?」
この時の俺は実に間抜けだったと思う
立ち膝しようとして体動かなくて声出そうにも出なくてかろうじて出たのは蚊の羽音みたいにかすれてて
うん、かなり恥ずかしい
「私は椎名優だ。アンタは?」
彼女は名前を言うときもずっと微笑んでいた。
「分からない」
精一杯声を出すが全くでない
「自分の名前……分からない」
頑張って説明しようにも何故こうなったかもわからないから説明しようもないのだ
彼女――優は
「そうだったね。呼びにくいから適当に決めるよ。」
そう言ってベッドの横にある椅子に腰掛けた
「…………神威なんていいんじゃないか?」
目を爛々と輝かせた優は正直可愛かった
「……それでいい」
訳もわからないし気味の悪い俺に彼女は名前をくれた
その時の俺は目の前のこの女の子がとても眩しく見えた
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