第二章

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圏外って……もう! 仕方なく電話を借りることにし、鞄から財布を取り出した。 「すみません……電話をお借りしてもいいですか? 携帯が圏外なんです」 「ええ……それは何に使うものですか?」 え……電話だよ? 他にも色んな使い方が出来るんだっけ? それに今、気付いたんだけど…… ……かよさん、どうして着物なの? 沈黙が訪れ、意味もなく見つめ合う。 突然かよが笑い出し、茶を持ってくると言って出て行った。 鞄のポケットに携帯を戻す。 その時、亜希に貰った白いノートが無くなっていることに気付いた。 最悪だ……川で落としたのかな? 絶対に怒るだろうなぁ。 いや、泣いちゃうかもしれない。 鞄の奥の方に入っている黒いノートを見つけ、手に取って捲ってみた。 年表……? 歴史みたい。 作るのに時間かかるわけだね……
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