第一章

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「出るよねぇ……ため息出るよねぇ……カッコよすぎてさ……」 「で、亜希は一体誰がスキなの?」 「沖……全員スキだよ」 げっ……欲張りじゃん。 もしこの似顔絵が、そのまま事実ならカッコいいとは思うけど。 「亜希ってさ、昔から絵がほんとに上手いよね! 感心するよ」 「はぁ……わかんないかな……とにかく、早く来てね。色々と教えてあげるからさ」 亜希に貰った二冊のノートを鞄にしまい、急いで家に帰った。 少し大きめの鞄に、必要な物を詰め込んで出掛ける用意をする。 制服のまま祖母の部屋に行き、ドアの隙間から行ってくると声を掛けた。 「結羽ちゃん、もう風邪治ったの?」 「うん、月曜日も亜希の家から学校に行くから。じゃあ行って来ます」 テーブルの上にある風邪薬を鞄へ突っ込み、亜希に電話をする。 待ち合わせしたファミレスに入り、暫く亜希の話に適当に頷いていた。 今、何時なんだろう…… すでに九時前であることに気付き、亜希の家に向かうことにした。 いつもの道を歩きながら、二日後の予定をしっかりと聞き流す。
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