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「出るよねぇ……ため息出るよねぇ……カッコよすぎてさ……」
「で、亜希は一体誰がスキなの?」
「沖……全員スキだよ」
げっ……欲張りじゃん。
もしこの似顔絵が、そのまま事実ならカッコいいとは思うけど。
「亜希ってさ、昔から絵がほんとに上手いよね! 感心するよ」
「はぁ……わかんないかな……とにかく、早く来てね。色々と教えてあげるからさ」
亜希に貰った二冊のノートを鞄にしまい、急いで家に帰った。
少し大きめの鞄に、必要な物を詰め込んで出掛ける用意をする。
制服のまま祖母の部屋に行き、ドアの隙間から行ってくると声を掛けた。
「結羽ちゃん、もう風邪治ったの?」
「うん、月曜日も亜希の家から学校に行くから。じゃあ行って来ます」
テーブルの上にある風邪薬を鞄へ突っ込み、亜希に電話をする。
待ち合わせしたファミレスに入り、暫く亜希の話に適当に頷いていた。
今、何時なんだろう……
すでに九時前であることに気付き、亜希の家に向かうことにした。
いつもの道を歩きながら、二日後の予定をしっかりと聞き流す。
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