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誰かの足音がする……
目をゆっくり開けると、薄暗い六畳ほどの部屋で布団に寝かされていた。
瞬きをしながら辺りを見回す。
枕元に置かれていた鞄に気付き、慌てて上体を起こした。
私、さっきまで川にいたのに。
足……痛っ!
布団から足を出して傷を確認した。
怪我をしていた両膝が、いつの間にか綺麗に手当てされている。
鞄に手を伸ばした時、誰かが部屋に入って来たことに気付いた。
「目が覚めましたか?」
「あの……」
「私、かよです。あなた、川で気絶していたんですよ」
やっぱり……私、川にいたんだ。
鞄から急いで携帯を取り出し、かよという女に礼を言った。
「助けて頂いてありがとうございました。私の友達は知りませんか?」
「あなた一人しか見なかったけど」
亜希のことが心配で、とりあえず連絡をしようと思って携帯を開いた。
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