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「お前が望めば、目が覚めたら消える夢になるんだよ」
これは夢だと思えば。
夢にしたいと望めば。
裕二の気持ちも。
こうして、告白してくれたことも。
優しく笑ってくれたことも。
すぐに消えてしまう夢になるのか。
「俺が、望めば……」
「そう、お前が望めば」
全部、夢。
「夢なんて、そんなの嫌だよ」
癇癪を起こしたみたいに、声を上げる。
裕二が、一瞬驚いた顔をした。
だって、そんなの悲しいじゃんか。
忘れたくない。
夢になんかしたくない。
「俺も、お前が好きだ」
男同士がなんだ。
あっちゃいけないなんて、関係ない。
例え、本当に夢だとしても。
この気持ちだけた、言わなければ。
ギュッと閉じた目を開いたら、裕二が満足そうに笑っていた。
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