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―――――……
―――…
―…
「……ろ、ちひろ!」
「うぇ」
「うぇ、じゃないよ。いつまで寝てんだよ」
目を開けると、眉をしかめた裕二。
先ほどまでの、あまったるい空気はそこにない。
黙ったまま、裕二を見つめる。
「お前、夢見てただろ」
「ゆめ?」
どっから、どこまでが。
首を傾げてから、周りを見渡す。
見慣れた教室。
裕二以外の生徒は見当たらない。
窓からはオレンジ色の日差しが射して、部活をしている生徒たちの声も聞こえる。
「しかも、俺の」
フフンと笑った顔は、先ほどの男っぽい笑顔と同じで、ドキリと胸が鳴る。
「な、んで」
「寝言、言ってたんだよ」
机越しから徐々に近づいてくる顔は、息もかかりそうな距離。
「俺のこと好きだって」
囁かれた言葉に、ドクンと胸が鳴った。
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