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「なに、その顔」
「いや別に…なんにもないですけど…」
「そう」
なんかわからないけど
苦手だ、この人
直感だけど
そんなあたしの視線に気づいたのか、男の人が再びあたしに視線を向ける
「だから、なに？」
「ここ、禁煙なんですけど」
「そうなの？知らなかった」
「知らなかったならしょうがないですけど、次から気をつけてください」
今にもフンッと鼻をならしそうなのを抑えて、あたしは机に置いてあった使われていない綺麗な灰皿を男の人差し出した
「どーも」
男の人はそう言って灰皿にタバコを押し付け火を消したけれど、右の眉毛がピクリと歪んでいる
でも、知るものか、そんなこと
気に障ることを先に言ったのはこの人だ
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