'.+夏の夜*.

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大きく息を吸い込む 夜露を含んだ 冷たい空気が 体の隅々まで行き渡り 黄昏の饗宴の始まりを告げた 南の空から青いベールが迫り 金色の星達が彩る 山々のシルエットは 漆黒の中に浮かび まるでひとつの劇場が 出来上がるのを 観覧しているようだ どこからこの饗宴を 聞きつけたのか おちゃめな風が きまぐれに現れ 主役が揃った すると次々と 今夜のお客が訪れる 螢のスポットライト 羽虫のおしゃべり 私はただひとりの観客 この饗宴を知る ただひとりの観客
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