0・異世界の事情

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それはこの戦争で絶対強者が初めて見せた焦り。 アルスとティキはリュウの消えた場所を見つめ、呆然と涙を流している。 キィン! 一際高い音が鳴り響き、上空の魔法陣から光が柱となって放たれた。 ドオォォン! 「ガアァアァァっ!!」 響き渡る特大の断末魔。 そして光の奔流がやむ。 サァアアァッ…… 魔王の亡骸が、光の粒子に変換され、空へと昇ってゆく。 厚い雲が割れ、空が久方ぶりの青を見せた。 こうして、運命の御子の絶対魔法により、魔王は倒された。
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