251人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふっ。我が力を縛るものは、最早この鎖一本のみ。それさえも……すぐに砕ける。覚悟しろ。恐怖しろ。人間どもよ!!」
ジャリッ!
既にヒビの入り始めた巨大な鎖を鳴らしながら、魔王は笑う。
そこには絶対強者の余裕すらうかがえる。
「くっ、どうすれば……」
長身の男、アルスの王族の証である黒い瞳には焦りが浮かぶ。
「悔しいけれど、何も打つ手はない……わ」
小柄な女、ティキの美しい黒髪は汚れ、強風に翻弄されている。
中性的な顔立ちの男は決意の籠もった赤い瞳を仲間に向ける。
最初のコメントを投稿しよう!