0・異世界の事情

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オオォォオー オオォオォーン 分解された粒子は光の筋となり空高く昇ってゆく。 光の筋は無数の色に煌めき、遥か上空に豪奢な魔法陣が展開される。 戯れに焔を放っていた魔王も、すぐに異変に気付く。 「人間どもよ。な、何をしたっ!!」 魔法陣は揺らめく虹色に変わり、光を強めていく。 呼応するかのように、髪をなぶる強風はピタリと止まり、静寂が訪れる。 「くそっ!!鎖さえ、鎖さえ無ければっ!!!!」 ガシャガシャと激しい音を立てて、右手を振り回す魔王。
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