昼寝

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「まだか、」 はぁあと大きなため息をつく、黒髪の少年。目の前で背を向けている少年の姿を見て呆れている様子 「ティッシュちょーだい」 「何箱目だと思ってんだよ。もぅねーよ。」 「だから言ったじゃん、杉の木は危ないから行かないって…聞かなかった将が悪い」 黒髪の少年の名前は、水戸将<ミトショウ>。ティッシュを要望する黄色い髪をした少年の頭を叩いた。 「最初に極度の花粉症だと言えばよかったんだよ!!これじゃあ何も出来やしねぇ」 「危ないって言えば利くかと、それに帰るよ俺」 「え。」 「え…」 顔を見合わす二人。瞬き一つしない上にぴくりとも動かなくなった。そんな姿に端から見ていた少女が動き出した。 「動けや、ボケー!!!」 「「いったぁぁあ!!!」」 二人の頭には、大きなたんこぶが光っている。 「狂暴だな、月」 「ああ、全くだ。」 コソコソと二人して小さな声で話しているつもりなのか、少女には丸聞こえだった 「聞こえてんぞ、オラァ」 「「ヒッ、すんません…!!」」 少女の名前は望月月姫<モチヅキツキヒメ>、二人の女帝である。
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