2人が本棚に入れています
本棚に追加
「『ワシがトイレに入る前、女生徒が出てくるのが見えた』変態の教頭はそう語ったぞ」
「私は何も知らないわ」
僕はその日の放課後。
ある女生徒の家を訪ねていた。
体調不良で休んでいた隣の席の彼女の見舞いというのが口実だ。
「しらばっくれるな。エロ本の最後のページにお前の名前がマジックで書いてあったんだ」
僕がそう静かに詰め寄ると、彼女は泣き崩れてしまった。
「そうよ、私よ。私が仕組んだのよ。でもまさか、兄がロ本に自分の名前を書くような人だったなんて。……人ってわからないものね」
泣く子をなだめるように努めて優しい語調で尋ねる。
「なぜそんなことをした?」
彼女は悔しそうな顔で僕を見上げる。夕日が涙を照らして、一瞬、美しく見えた。
「だって、貴方は女子にモテすぎるから。だから……、だから、評判を落したかったのよ。授業中に手を挙げたのもそうよ」
僕は泣き濡れる彼女にこう言った。
「ばかだな」
両腕で彼女をだき寄せ………………………………、るフリをして平手打ちした。
「あと、緊張したので催した。トイレ、借りるぞ」
「は、はいぃぃ。喜んで」
その後のことは皆さんの想像にお任せする。
最初のコメントを投稿しよう!