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歯を食いしばり、刹那に襲い来る鈍痛にひたすら耐えた。
額にはスジコのような玉の汗がびっしりと貼り付いている。
「だ、大丈夫!?……、ひぃ!」
隣に座る女生徒に、金剛力士像にも対抗できるかという表情を向けてしまい、大いに怯えさせてしまった。
彼女は日頃、僕の甘いマスクに惹かれていたようだが、幻滅したろうか。仕方がない。
なんせ、今はそれどころではない。
そもそも、僕は女性などにさほど興味は感じない。
漏れるかどうかの瀬戸際である。触れたが最後、弾けて飛ぶ風船のように一触即発の腹具合だ。
他の事に気を回している余裕などない。
爆発してしまうともう、これまでの日常は帰ってこない。
イケメンのインテリとして築き上げた地位と名誉は泥土に落ちて、汚辱にまみれたあだ名が残るだけだろう。
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