常識の世界にある当たり前という壁

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バンッ (ついた…!) その頃、私は屋上についた時だった。 (は、走り過ぎた…) よろよろと前進するが力が入らない。屋上の真ん中あたりでへたっと座り込んでしまった。 ふと横を見れば、怪しく光る『赤い満月』がまるで何かを見張っているかのように浮かんでいる。 (……ああ、そうだ) 咲は酸素がまわっていない脳みそで、冷静に自分のおかれている状況を考えた。 ーー突然の来客"アリス?" ーー助けにきた"フランス人形" ーーありえない『赤い満月』 何故か狙われている私。 「……意味わかんない」 全力で冷静に考えても意味が分からない。 願わくばこれが夢であって欲しい。 しかし、それを否定するかのように息苦しい体、止まらない汗、痛む足。 頬を伝う涙。 「……本当、意味わ…か、らない…よ………」 ポタポタと落ち、床に水玉模様ができていく。 「誰か……助けて…」 ソバニイテ。 そう思ったことが今までに何度あったか。 そう、結果はいつもーー 「大丈夫ですよ」
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