常識の世界にある当たり前という壁

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「君、何なの…?人間…じゃない?」 自分でもあり得ない事を聞いてると思った。確かに私は『入院歴が長い』。だからといって、そんなに簡単に《化け物》は現れる様な世界ではないと思う。 そう、信じていたのだ。 しかし、アリス?はにっこり笑って答えた。 「あたしは《キメラ》。お前達の様な《化け物》なんかじゃない」 「………!」 あまりにも冷たく発せられた言葉。驚いたのは、私がこの子を《化け物》と思った様に、この子も《人間》を《化け物》と思っていること。 つまり、この子は人間ではない。 「っ?!」 突然足に感じる重みが大きくなった。動かすのが難しかった足が完全に動かなくなった。 (重い…) それでもなんとか足を動かそうとするが全然動かない。 むしろ、もがけばもがくほどどんどん重さが増していくのだ。 「ね、気付いてた?」
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