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ざぱり、と陸に上がってきた私を見て彼は呆れた様に言う。
「よくも風邪をひかないもんだな。寒くないのか」
「んー、寒いといえば寒いけど、心地いい寒さだよー」
理解不能、といった顔をした彼を放置して持ってきたタオルで体を拭こうとバッグをあさる。すると、彼がひょいと私の手からタオルを奪い、わしわしとまるでペットのように水気を拭う。私の抵抗も簡単にスルーして。
「よし、まだマシかな。見てるこっちが寒いぞさっきは」
「むー……」
唇を尖らせる私に彼は爆笑する。そして、急に真顔になった。私は急変した彼の雰囲気に首を傾げる。どうかしたのだろうか?
「なぁ」
「何? どうしたの?」
問いかける私の目を見て彼は、
「俺、お前のこと好きだ」
と、のたまった。
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