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ひゅっ
喉から小さな音が洩れる
額から流れ出た汗が覗き込んだ円を侵食しようとしていた。
どくん
どくん
身体中から血液の流れる音がし、それを送り出すポンプが静寂に音をばらまく。
痺れるような緊張感とはりつめた空気。
円の中に写るのは自分と同じように地面に這いつくばり、此方を狙う…見知った顔。
1秒が刹那に引き伸ばされ…
「大好きだ。だから。お前を殺す。」
炸裂音と亜音速を超える弾が作り出すソニックブーム。
そして標的に着弾したであろう大きな破壊音が、瓦礫と屍で彩られた街に響き渡った。
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