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三日目の夜はしゃぶしゃぶだった。
初日から味の濃いものばかりで、大量に胃に納めなければならなかったので、
あっさりとしたポン酢と紅葉おろしでいただくこのしゃぶしゃぶとあいうチョイスは正直に有り難い。
ちなみに二日目の昼はカレーだったので私は大好きな福神漬を死ぬほどおかわりし、 三日目の昼ごはんの牛丼では紅生姜をおかわりし倒した。
そして、三日目の晩餐がはじまった。
しゃぶしゃぶ、、、
しゃぶしゃぶ、、、
静かに、そして地味に皆それぞれに食べたいものを鍋に投入していく。私はあまりお肉は好きじゃない。
しいたけとマロニーが好き。
気づいたらお肉は
鍋から消え去り、肉がなくなった途端あかねのはしが止まった。
「肉せんのあかね!」
あかねが突然叫んだ。
「だからもういらないっす。ウチ任務遂行したんで。」
よしおが
「お前なんやねん!」
と叫び、最後に残っていた白菜をつまんだ。
その時である。
白菜から焼き付くような熱湯が私目掛けて飛んできた。
「あっつう゛ぅうう!!」
そう叫んだ時にはもう
私ははしを手にもっていた。
「着色料のらこすて!」
あかねの言葉ももはや耳に入らない。
そしてはしを何もない鍋の中のだしにつけて
よしおに勢いよくあくを吹っ飛ばした。
「あくのよしお!」
私は我を忘れて叫んでいた。よしおのうでは豚肉のあくだらけになっていた。
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