7459人が本棚に入れています
本棚に追加
/2220ページ
プレストンのクラブハウスは二階建てのシンプルな建物だが、それなりに施設は充実している。
スタッフのための部屋と選手のためのロッカールームやシャワー室、医務室等があり、カフェと呼ぶこともはばかられるような小さなスタンドもある。
地元のサポーターたちがそこに集まっては、選手の練習姿を見ながらコーヒーやビールを飲むのだ。
イングランドの多くのクラブがそうだが、中堅以下のクラブはサポーターとの結びつきを大切にしている。
クラブハウスに昔からのサポーターやOBが顔を出していることも決して珍しいことではない。
彼らはわがチームに好き放題言いながらも、勝利を期待している。選手たちとの交流を通じて、チームを応援している。
選手の方も、練習後にそのスタンドに顔を出し、サポーターたちのサインに応えたりしている。
ユースチームの選手やもっと若いジュニアチームの子供たちなどもクラブハウスを利用しており、選手とサポーターの距離が近いということができた。
その日の夕方、選手たち全員がクラブハウスに招集されていた。二階の奥にはホワイトボードとパイプ椅子があるだけのミーティングルームがあり、そこに集まるよう連絡があったのだ。
選手たちの何人かが部屋の中に入ると、そこには大型の液晶テレビが置かれていた。テレビの前には、人数分のパイプ椅子が雑然と置かれている。
選手たちはぱらぱらとパイプ椅子に座っていく。
最初のコメントを投稿しよう!