第4節 ミーティング

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 続いて、松葉杖をつきながら部屋に入ってきたキーガンは、ゆっくりと室内を見回してから一番後ろの席に着く。  座ってから少しして、キーガンは照明の明かりが弱くなったのかと思う。  顔を上げ、その理由に納得する。 「……ここ、座っていいでしょうか?」 「ああ、もちろん大丈夫だ。ハリー」 「……ありがとうございます」  その大きな体と反比例するようなか細い声で、フォワードのハリーが言う。チーム一の高身長であるハリーは194cmの大型フォワードだ。  痩せ型でイングランド代表のピーター・クラウチに似ていると評されている。  ただし、キーガンからみるとハリーは優しすぎて、激しさが足りない。  趣味が休日に飼い猫を可愛がりながらアフタヌーンティーを飲むことという乙女チックなものなのだ。  気の強い方ではなく、どことなくおどおどした遠慮がちな態度が弱々しく見える。  そのため、多くのサポーターたちには、せっかくの恵まれた高身長なのに、残念なフォワードだと思われていた。
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