序章:トイレにて

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……音が、聞こえました。 木製のドアを強く叩く様な音。 トイレのドアを『中』から叩いた様な音。 その場に居た全員の肩がびくりと跳ねたのを覚えています。 自称オカルト好きのBはこの時点でダッシュでトイレから逃げ出しました。 しかし、そんなBの事を気にする人は誰もいません。 恐怖か、驚愕か。とにかく、AとC、そして「僕」はすっかり固まってしまい身動きが取れませんでしたから。  ドン! ドン! ドン! そうして、僕たちが硬直している間に、トイレの内側からドアを叩く音は異様な速度で増えていきました。
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