486人が本棚に入れています
本棚に追加
「メリークリスマス」
その人はカップを優しくわたしの目の前に差し出すと、優しい笑顔でそう言った。
その瞬間、わたしはこのカフェラテと彼に恋をした。
一目惚れなんて、自分には有り得ないと思っていたのに。
それは一瞬にして崩れ去った。
それから、わたしは時間が許す限り、そのカフェに通い詰めた。
極上のカフェラテと彼の優しい笑顔を求めて。
決まっていつも、彼が立つキッチンの前のカウンターに腰掛けた。
そんな日々がひと月ほど続いた。
そしてバレンタインの日。
わたしは意を決して告白した。
「好きです! ここで働かせて下さいっ!」
最初のコメントを投稿しよう!