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事の発端は数日前に遡る。
時間はお昼時。
俺はモテモテ美少年でもなければキモオタな引きこもり野郎でもない、良くも悪くも平凡な普通の高校生だ。
名前は、上田貴紀(うえだ たかのり)という。
趣味は小説を読む事、ゲームをする事……おや、なんだかそれっぽいな。
まぁそれだけでは無く、運動なんかも好きで夜中にランニングをする事もある。
運動馬鹿と評された事もあったが結構心外だ。
「のりー!たーかーのーりー!」
かなり聞き覚えのある声が俺を呼ぶ。
「飯行こうぜ飯!!」
「んー、大して腹減って無いし良いや」
椅子に腰掛けたままの俺は、視線を上げる事も無く机に突っ伏して寝る体勢に入る。
「寝ちゃうの?え、寝ちゃうの!?俺ってば朝飯食ってないんだよ限界なんだよー!」
「自業自得じゃねーか。俺は朝飯が焼肉だったんだよ……何で朝からあんなに喰わされたんだろう」
朝飯を食って来なかったコイツは俺の友人で、神崎竜弥(かんざき たつや)。
小学校時代からの付き合いという腐れ縁っぷりで、無駄にとは言わないが他人に優しい奴だ。
竜弥の笑顔は、ネットで良く見かけるあの可愛らしい某顔文字に雰囲気が似ている。
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