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「オーケー、分かった。分かったからその地団駄を踏むの止めろ。駄菓子をねだる子供かいな」
「よっし!さぁ飯行こうか!!」
「テンション高いなぁ」
妙に元気の良い竜弥。
しかしその真意はお見通しである。
俺の通う高校には、俺と同じくらいに普通で平凡な食堂がある。
出費を抑える為にと弁当を持参する奴の方が多いが、利用者も結構な人数だ。
「あ……」
「良かったな、行って来いよ竜弥」
俺はニヤニヤしながら、一人の女子を指差した。
三本環菜(みもと かんな)という女子だ。
とても明るい娘で、バスケ部の三本と言えば近隣の他校へも通じる程度の人気っぷりである。
竜弥はこの三本環菜にゾッコンラブだそうで、それについての相談を良く持ちかけて来る。
さっさと告白してしまえば良いのに、煮え切らない奴だ。
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