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「孝太君からメールで聞いた。あたしの誕生日だから敦さん呼び出して会わせるつもりだったって…」
「えー?そうだったの?俺、凜の誕生日だから、も1回誘ってみようとしたけど、前日に男と一緒のとこ見たから、諦めてヘコんでたのに…」
今度は彼がため息をついていた。
「誘いにのれば良かったのに…」
「それなら、あいつも凜を呼んでるとか教えてくれりゃあいいのに…。会ったって、どーせ、早くヨリ戻さないから他に男が出来たんだとか、説教されんのわかってんのに会いたくねーじゃん?余計ヘコむし…だから断ったんだよ。
結局、その男もコータだったんだから、あいついなけりゃ俺、ちゃんと凜の誕生日祝えたんじゃねーの?」
ふて腐れた様に長々とそうボヤいた。
「もぉっ!!こら!そんな事言わないの!!孝太君、あっちゃんが大好きだから心配して、寒い中あたしの事待っててくれたのにぃ…」
「ごめん、コータぁ…」
あたしに言われても知らないよ。
「それに、あたしも1日遅れでお祝いしたなら、あっちゃんも同じでいいじゃない?来年はちゃんと当日にお祝いしよ?」
「…だね」
「ね!それよりこれ、開けていい?」
あたしが尋ねると、少し緊張気味に頷いた。
中を開けると、キラキラしたハートの形のダイヤの指輪が入っていた。
「えー?何これ!?」
驚くあたしから、その箱を取り上げると、中から指輪を取り出した。
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