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「いや、笑い事じゃねーよ!?誕生日にこれ渡したら、さすがに俺の本気が伝わんじゃねーか!?と思ってたのに、男と一緒んとこ見たから、昨日、一昨日とどんだけヘコんだか!!泣きそうになったわ!!
これ…どーすんだ!?って真剣に悩んだのに…」
「あはは!!だから孝太君の誘いにのれば良かったのに!!」
笑い飛ばすあたしを困った表情で見た後、真剣な顔をした。
こんな事言ったら怒られそうだけど、あまり見ない表情に、ドキッとした。
やっぱり、この人は…ホントに素敵だ。
あたしには勿体ないくらい…。
あのバカさがあるから、一緒にいても何だかんだで、あたしは救われる。
でなきゃ、からかわれているだけだと思って信じられない。
「冷やかしも、文句も…返事も全部、後で聞くから…ちょっと、今は黙ってよ?こう見えても、結構緊張してんだよ?」
相変わらず涼しげな眼を見るとそんな風には感じないけど、真剣な口調で言われてしまうと黙るしかなくて、コクンと1回頷いた。
「今すぐじゃなくていいよ。凜の歳でそんな事考えられないのも、わかってるつもりだから…。その気になるまで、いつまでも待つから…。だから、いつか…」
そこで言葉を区切ると、本当に初めて見る真剣な眼差しを向けた。
そして、あたしの左手を取り薬指にそのキラキラの指輪をはめた。
「俺と家族になろうよ」
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