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少しはにかむ様に、でもあたしの1番大好きな柔らかな笑顔を向けて言われた言葉に、心の中が一気に暖かくキュンと締め付けられて、ポロっと一筋涙がこぼれた。
上手く言葉が出てこなくて、一言「はい」と言って頷くのが精一杯だった。
「ありがとう」
嬉しそうに微笑むと優しくギュッと抱き締めてくれた。
それであたしは更にボロボロ泣いてしまう。
「明日はどっか飯行って、ケーキ買ってちゃんとお祝いしようね」
「うん」
「何、食いたい?」
「何でもいい」
一緒なら何でもいい。
何処にも行かなくてもいい。
一緒にいれればそれでいい。
ささやかだけど、それがあたしの幸せ…。
「わかった。考えとく」そう言って、更にギュッと抱き締めてくれた。
またあたしの幸せが戻ってきて本当に良かった。
今度こそあたし達は続く。
キラキラした指輪の輝きを思い出してそう思った。
「サイズ…ぴったりだねぇ」
少し腕の中から離れて、顔を上げて彼を見た。
「こんなのサイズ間違えたらカッコ悪いでしょ?」
少しはにかんだ笑顔で、得意気に言った。
「よくわかったね?手、握っただけでわかんの?それとも贈り慣れてる?さすがだよね!スゴい!!」
「んな訳ないでしょ!!酔った時に聞いたし、寝てる時にも計ったの!!」
少しムッとした様子の彼に「ごめん」と謝ると、改めて指輪をはめた自分の手を見た。
ネイルしてて…良かった。
そんなどうでも良い事が、チラッと頭をかすめた。
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