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淡いピンク色のドレスを着て高砂席に座る彼女は、本当に綺麗で幸せそうだ。 これまでの彼女の苦労も葛藤も知っているからか、余計にそれを乗り越えて、今日に至ったその姿に私まで幸せになる。 あ…駄目だ、泣いちゃいそうだ…。 涙脆い訳ではないけれど、何故か結婚式には弱い。 両親への手紙のシーンなんか、いつもボロボロ泣いてしまう。 今日は特に、親友・真琴の結婚式だから、早くもウルウルきちゃってる。 そんなところへ突然、名前が呼ばれた。 「ここで、突然ではございますが、新婦真琴様より、御友人、村田笑美様へサプライズプレゼントがごさいます 村田様、前へどうぞ!」 えー?何なの突然…? 私、聞いてないよぉ… サプライズって、そういうもんかもしれないけどさ… とりあえず、驚きを隠せぬまま前へ出た。 「村田様は、新婦真琴様の高校時代からの御友人で、本日お二人の為に、手作りのウェディングベアーをプレゼントしてくださいました。そこで…」 司会の人が、何か喋っていたけど、真琴が目の前に出てきたら、その言葉は耳に入らなくなった。 真琴はマイクを受けとると、私に微笑んで、手紙を読み始めた。 両親じゃなくて…私…??
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