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エアコンが効いてきたせいか、暖かくなった室内で変に汗をかいたような気がした。 何でそんな事いうんだろう? 喉がゴクリと鳴るのがわかって、そこで初めて自分が緊張してる事に気付いた。 「な、何で?」 恐る恐るそう尋ねた。 「そんな顔すんなや 一緒に行きたいって言うてくれて嬉しかったって言うたやん でもな、実際来て、どうすんの?」 「どうするって、何が…?」 「来たところで知り合いとかおるん?仕事は? 来るなら辞めなあかんやろ? 知り合いいないし、仕事もないし…って1人で寂しいで?」 私が着いていくのが嫌なんじゃなくて、向こうでの心配をしてくれてたんだ…。 それがわかると、ちょっと嬉しかった。でも… 「1人じゃないよ?向井さん、いるじゃない?」 「そやけどな…オレ、仕事行ってる間は1人やん? それに、大阪行くんも数年だけやし、その間は休みの日にこっち来るやん 笑美ちゃんが来てくれてもええし…」 「そんなの嫌!」 「嫌って…結構、頑固やな… あんなぁ、全然知らんとこに行くんって、多分、笑美ちゃんが思ってるより全然キツいで? オレが最初こっち来た時、知り合いいないし、どこに何があんのかもさっぱりで、正直、帰りたなったわ 笑美ちゃんにそんな思いさせたないし…」 向井さんは、少し難しい顔をしながらそう言った。 心配してくれる気持ちはやっぱり嬉しい…でも、
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