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「大丈夫!!それでも一緒に行く!
仕事なくても貯金はあるし、しばらく何とかなる
社員じゃなくてバイトだっていいし、とにかく働いて、向井さんの近くに住む
今までみたいに、いつでも会える方がいい!
私も大阪行くから!駄目って言われ…」
「そんなん言わんわ!」
私の話を遮ってそう言うと、両腕で私を引き寄せギューッと苦しい位に抱き締めてくれた。
「そこまで言うてくれるんやったら、一緒においでや
別にオレ、実家に住まなあかん訳ちゃうし、近くに住むとか言わんと一緒に住んだらいいやん?
オレとずっと一緒にいようや…なっ?」
私が勝手に押し掛けるつもりだったのに、一緒に住むって同棲って事だよね?
私は嬉しくて、彼の背中に手を回した。
「うん、ありがとう!」
「それなら、明日にでも直ぐ行かんとな!」
「どこに?」
彼を見上げて、思わずそう尋ねた。
「笑美ちゃん家に決まってるやん!
大阪連れてく事言わな!!」
「私が勝手に行くって言ったんだから、自分で言うよ?」
「そんなんアカンって!オレ、ちゃんと言うから!」
「…わかった、ありがとう」
あまり納得してない様子の私を見て、向井さんは笑った。
「でも、今日はとりあえず、ココにいてや?
オバチャンにも許可もらってるし、オレ、帰す気ないで?わかってんの?」
「…はい…」
私はまた緊張して喉がゴクリと鳴るのがわかった。
「お?いい子やん?」
向井さんは笑いながらそう言うと、私の頭をクシャクシャに撫でて、今度は普通に優しくキスをしてくれた。
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