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そういう訳で、仕方ないのでいつもの河川敷を2人で歩いている。 河川敷には春らしく緑が増えてきたけれど、水辺が近いせいか、風はまだまだ冷たかった。 おまけに向井さんは家を出てから、ほとんど何も話してくれないので、気まずくなって私から話を切り出した。 「あ、あのね、さっきの話なんだけど…」 私がそう言うと、繋いでいた手にギュッと力が入った。 「うん…そやからな、サイズ何?」 はい?何で急にサイズの話になるの?訳が分からない! でも、訊かれたからには答えなきゃいけないよね!? 「い、いきなりそんな事訊かれても…恥ずかしいんだけど… 一応、Cはあるよ?よくBじゃないのかって言われるんだけど、ちゃんとCはあ…」 「どアホ!誰がこの場で胸のサイズ訊くねん? もっと空気読めや!! そんなん、どうでもええわ!」 「あ、どうでもいいんだー よかった!大きい方が良いって言われたら、どうしよ…」 「だから、何でそんな返しがくるんや? いい加減にせぇ!!アホ!」 どうやら、私はまた怒られたみたい…。 「ごめん…」 とりあえず私が謝ると、向井さんは一瞬またキッと睨んでいたけど、直後にまたクククと肩を震わせて笑いだして、そのうち涙を流すほど大爆笑していた。 「もー、ホンマ勘弁して!!オレ、笑美ちゃんとおったら笑い死にしてまいそうや!」 「…ごめん」 何故そこまで笑われるのかはわからないけど、とりあえずもう一度謝っておいた。 「あ、でも笑って死ねるなら本望かもしれん… そやから、笑美ちゃん…オレと結婚してや ずっとボケて、ずっとオレを笑わせてくれ オレ、笑美ちゃんのボケたとこが大好きや いちいち、オレのツボに入って、もう堪らんわ!」 「えーっ?私ってそんなところが気にいられてたのー?」 「…何で、返しがソコなんや?ちゃうやろ? どう考えても、その返しはおかしいやろ?」 一瞬、冷めた目で私を見たけど、すぐに「笑美ちゃんらしいな」と再び笑った。
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