うんクマ

3/6
前へ
/8ページ
次へ
僕はトイレに入るや個室に入り速攻ベルトを外し洋式便器に着地。 ズボンを下ろした瞬間、スポーんっと飛び出すウソコ。 ふぅ……やれやれだぜ…… 始業開始の鐘の音が聞こえるがそんな事はもうどうでもいい。 僕は自分の股の隙間からそっと中を覗きこむ。 便器の穴の奥の方でチラッと見えるウソコ。勢いがありすぎて奥に入りこんだらしい。 そのチラッと顔を見せるウソコに少し愛情にも似た感情が湧き出て来る。 ふっ、かわいい奴だな。 「こ、こんにちは……」 「はい、こんにちは」 凄いなぁ。愛着湧き過ぎて声が聞こえちゃったよ。 思わず返事しちゃった。てへっ。 …… ………… って、待てええええて! 何でウソコが喋れるんだよ!? 僕はもう一度自分の股の隙間からそっと覗いてみた。 明らかにこちら側に出てきている…… 「お父さん……」 やっぱし喋ったぁぁぁ! 僕の事お父さんとか呼んじゃってるし! 幻聴か!? 幻聴だよな!? 「お父さん……はじめまして……うんクマだぉ」 「う、うんクマ!?」 「うん。形が熊に似てるでしょ? だからうんクマ……」 確かに素晴らしいくらい熊の頭部に似た形をしてはいるが。 「う、うんクマは何故喋れるんだい?」 気持ち悪いが僕が産んだ事には変わりない。僕は優しく語りかけた。 「ふふふ……奇跡が起きたんだぉ。神様があまりにも一生懸命に僕を産もうとしてくれたお父さんに奇跡をくれたんだぉ」 いらねええええ! んな奇跡いらねええええよおおおお! 「そっか。それじゃ僕は授業に戻るから……」 僕はサッサと水に流してしまおうと洗浄レバーに手をかけた。 「……てるの?」 「えっ?」 「お父さん……捨てるの? せっかく生まれてきたのに捨てちゃうの?」 「ぐぐっ」 そうだよな……こいつにも意思があるんだよな。 流すのはあんまりか……しかしここから持っていくのもすごい勇気が試されてしまう。 神様は奇跡ではなく試練を僕に与えたのでは? 「それでね、お父さ……」 ザザー…… 僕はレバーを引いた。だって喋るウソコ気持ち悪いもん。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加