第壱話:アバトロイドへようこそ!!

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どうするか。暫く悩んだ俺は、今にでも点数を宣告してきそうな黒い球体に、ハンドルネームを打ち込んだ。 【ヤナギ】と。 まあ、由来は別段深いものでは無い。単に自分の本名を一部借用してるだけの浅いものだ。シンプルイズザベストである。 『プレイヤーネーム【ヤナギ】で登録完了しました。次にアバターを設定します』 声が響くと、空間の様子が変容する。 なんと言うか、服屋みたいな感じに。 ユニクロみたいな。 種類数々の服やアクセサリー、カツラや顔型のようなものが宙に浮かんでいる様は、シュールとしか形容出来なかった。 「あの、アバターって……」 『アバターとは、アバトロイドを更に楽しんでもらう為、我が社が提供するサービスです。プレイヤー様の衣装はもとより、顔や髪型も自由にカスタマイズ出来ます』 成る程。 顔を上げて、もう一度衣服の群を見る。あれを組み合わせる事で、自分の姿を別人に変えられると言う訳か。
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