第序話:とある少年の日常

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と言う間に、俺はアバトロイドのホームページに辿り着いていた。バックライトを浴びながら、かちりとマウスをクリック。 【アバトロイド】へようこそ!! 途端にそんな文字が俺の目に飛び込んできた。ぐっ、なんか圧倒された気が。喉の奥へと、溢れた唾を無理やり押し込む。 これが、アバトロイドか。 ページをスクロールして、ゲームの説明や注意事項を読み取っていく。しかし、読んでいく内に増していく違和感。 その正体はまだ分からないけれど。 俺は机の下で踵と踵を擦り合わせながら、深く溜息を付いた。 癖のようになってしまった溜息。 この悪癖が付いたのは何時だったか。 考えて、考えて。 ページをスクロールしながら考えて。 そうして、答えに辿り着いて、苦笑した。 「中学時代からだったな……」 やっぱりあの頃から成長していない。常にカーテンで遮られた窓、開けてしまえば少しは成長出来るのだろうか。 植物みたいにはいかないか。 俺は溜息を漏らす。
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