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「お前、近い。千華に近付くな、殺すぞ」
……1メートルは離れてますが。
「申し訳ございません、旦那様」
奥様関連で旦那様に意見するのは自殺行為。
その事を重々承知している私はただ腰を折り、後ろに下がる。
「千華、朝餉に行こう」
先程とは温度の違う声音。
旦那様は何度見ても呆れ返る程、奥様を溺愛していらっしゃる。
朝餉の支度はメイドがしているので、後は食堂へ行くだけ。
けれど寝ぼけた奥様は歩く事など出来ず、毎朝嬉しそうに満面の笑みを浮かべた旦那様にお姫様抱っこで運ばれる。
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