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「楓おばあちゃん、鋼牙はどこにいるの?」
「奴らは山の中で群れておる。周りには狼がうろついているだろうから居場所は突き止めやすいさ。
かごめ、急ぐぞ。鋼牙がまだ四魂の玉を仕込んでなきゃいいのだが…。」
山の中に入ると、楓おばあちゃんも私もすぐに異変に気付いた。
「…血の臭い。」
「しかもちょっとの量ではないな。かごめ、急ぐぞ!」
間違いなく何かが起きている。
それに私達二人だけで立ち向かえるの?
不安なのに違いないけれど、何とかしなきゃ…こんな所で死にたくなんかない!
私達は血の臭いを辿って行くと、ようやく群れにたどり着いた。
「…何?戦ってるの?」
茂みに隠れて覗いて見ると、不気味な男一人に対し妖狼族が多数で立ち向かっていた。
「く…お前ら、俺はいいから逃げろ……。」
…昼間に会った奴。あいつが鋼牙よね。楓おばあちゃんは強いって言ってたのに、傷だらけで倒れてる。
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