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「そんな…。
楓おばあちゃん、鋼牙だけでも何とか助けましょう?」
「よいのか?さっきの奴にやられたとはいえ、鋼牙は妖怪。助けたら私達を殺すかもしれぬぞ…。」
そう、鋼牙は確かに妖怪。しかも私達は元々彼を追ってここに来た。
だけどこの人、仲間を必死で守ろうとしていた。自分のことなんか後回しにして…。
「楓おばあちゃん、私鋼牙ってそんなに悪い奴じゃないと思うの。それに彼の仲間、鋼牙を守る為に死んだのよ。これじゃ、彼らの気持ちが浮かばれない…。」
「…そうじゃな。私もそう思う。」
私達は二人で鋼牙の肩を担ぎ、山を下りた。
出血が激しく途中で何度も危ないと思ったけど、なんとか一命を取り留めた。
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