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おばあさんの家に入ると、中まで現代とは掛け離れた昔の家の作りになっていた。
私の家とは全然違うけど、妙に落ち着く…。
「さて、傷を見せてごらん。」
「はい。」
私は制服を捲って妖怪に引っ掻かれた傷を見せた。
「妖怪に襲われながら、よくこれだけで済んだな。かごめ、そなたは何か武術を身につけておるのか?」
楓おばあさんは手当てをしてくれながら私に話しかける。
「いえ、襲われた所に男の人が来て倒してくれたんです。…私の為ではないですけど。」
「ほう、どんな男だったんじゃ?」
「どんなって言われても…青い目をしていて、獣の毛皮を身につけた若い男でした。でも全然優しくなくて、きっと悪い奴だわ!」
「…それはもしかすると、妖狼族の鋼牙ではないか?」
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