序章

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ある意味この戦い方こそがソーサラー・キラーの由来。 テオのようなAGI(アジリティ)に極振りしているプレイヤーならばソーサラー・キラーの攻撃を避けながら隙を探りつつ重い一撃を入れることが可能だが、魔法職のプレイヤーは違う。 どちらかというと、召還やエンチャントなどでステータスの底上げや時間を稼ぎ、魔法で多属性の攻撃を繰り出し弱点を突くという戦い方をする。しかしソーサラー・キラーにはそれが意味がない。 モンスターを召還をしても小剣の速度について行けず召喚したモンスターが消されるパターンもある。 つまり遠距離タイプのヴァイドにソーサラー・キラーが相手というのは圧倒的に不利 (しかし、それをヴァイドの方は本体を相手にしている為あまりコイツに時間は裂けない!!) 「オイ!テオ、早くしてくれ!!僕の魔法っていってもそんな万能じゃないんだよ!!」 「そんなん分かってる。だけど俺だってそう簡単にコイツを落とせるほどの力なんて持ち合わせちゃ……いない!!!」 テオはヴァイドの言葉を聞いて焦り始めてきたのを感じ、じわじわと冷や汗が背を伝う。 そして、テオは高速で飛来してくる小剣の軌道に沿って体制を斜めにずらし過ぎ去り際に切り伏せる。 そして残りの小剣に向け剣を構え直しテオは切り捨てた小剣に目もくれず苦戦を敷いられているヴァイドの下に向かう。 ――テオサイドend―― ――ヴァイドside―― ヴァイドは遠目にテオが苦戦をしているのを承知で声を荒げる。 しかし彼自信も、もっとも苦手とする近接戦闘を強要されている。ヴァイドはソーサラー・キラーが薙いで来る剣戟をギリギリのところで避けているが、一体何時(いつ)攻撃を喰らってしまうのか胆を冷やしながらも回避には成功している。 「クソッ、これでも喰らえ。ヒートレイ!!」 術名を叫ぶとソーサラー・キラーに向けて振りかざしているクロスロッドから炎が溢れ出し一本に収束された熱線が放たれる。 熱線が辺りの空気を焦がしながらソーサラー・キラーに迫るが紙一重で交わし突進してくる。 「冗談じゃない!!」 (こんな攻撃いくらなんでも避け続けられる訳ない!!僕はテオみたいな戦士職じゃないんだよ)
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